需給主導の上昇がしばらく続く可能性がある

 以上の投機筋のポジション分析から、今後の日経平均の行方を考えてみます。投機筋の先物売り建てはまだ高水準なので、日経平均先物の買い戻し圧力がかかりやすい、つまり「踏み上げ」が起こりやすい状況が続いています。したがって、目先は、需給面から日経平均が上昇しやすい状況と考えられます。世界でよほど大きなショック・イベントが起こらない限り、日経平均の上昇が今しばらく続く可能性があります。

 ただし、今、述べているのは、投機筋のポジション分析だけです。株は、短期では投機筋の売買で動きますが、長期はファンダメンタルズ(景気・企業業績)で動きます。私は、景気回復を織り込む動きが始まっていると考えていますが、まだ足元のファンダメンタルズ改善が続くか不透明要因は残っています。

 つまり、投機筋主体の日本株買い戻しはまだ続きそうですが、ファンダメンタルズの変化を受けて、実需(海外の年金ファンドや国家資金ファンド)が本格的に日本株を買い始めるのは、来年以降になると思います。

 当面、投機筋の売りポジションと、ファンダメンタルズ(景気・企業業績)の変化の両方を見ながら、日本株への投資を考える必要があります。日本株は割安で、長期投資で買い場と考えていますが、短期的にはしばらく乱高下が続きそうです。

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