外国人投資家は今年、ほぼ一貫して日本株を売り続けてきた

 外国人投資家は10月まで、株式現物を売るだけでなく、日経平均先物の売り建ても増やしてきました。

外国人投資家の日本株式現物および日経平均先物の売買動向と、日経平均騰落率:2020年1月~10月

出所:東京証券取引所データより楽天証券経済研究所が作成。売買動向で、青は買い越し、赤は売り越しを示す

 外国人は8月には株式現物・先物そろって買い越していますが、それ以外の月はほぼ一貫して売り越しを続けています。今年1月から10月まで通算すると、株式現物を5兆3,995億円、日経平均先物を1兆1,695億円も売り越しています。

 注目していただきたいのは、日経平均先物の売買動向と日経平均騰落率です。

【1】1~3月:外国人売りで日経平均急落

 外国人は1~3月、日経平均が急落する中で、日経平均先物を大量に売っています。外国人の売りが日経平均を急落させたことが、わかります。

【2】4~5月:外国人の売り続くも日経平均は急反発

 4~5月、日経平均が急反発する中でも、外国人は先物売りを続けています。

【3】6~8月:外国人は先物買い戻し

 6~8月になると、外国人は先物を合計約1.2兆円も買い戻しました。ここで、「踏み上げ」が起こったと考えられます。じりじりと上昇が続く日経平均を見て、先物空売りを積み上げていた外国人が、買い戻しを迫られたと考えられます。

【4】9~10月:外国人が再び先物を売り越し

 9~10月に外国人は再び先物を売り越しています。日経平均の上値が重くなってきたので、再び、日経平均下落を期待して先物の売り建てを増やしたと考えられます。

 ところが、11月はご存知の通り、これまでに日経平均が7連騰して+10.3%も上昇しています。まだ売買統計が出ていないのでわかりませんが、空売りを積み上げていた外国人が11月は先物の買い戻しを迫られていると推定されます。