※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「[動画で解説]日経平均29年ぶり高値、為替は1ドル103円台。
円高でも日本株が強い2つの理由」
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日経平均急騰、29年ぶりの高値更新
先週の日経平均は、1週間で1,348円(5.9%)上昇し、2万4,325円となりました。コロナ・ショック前の高値(1月20日の2万4,083円)を超え、29年ぶりの高値を更新しました。
米大統領選前に株の保有を落としていた投機筋が、イベント(大統領選)通過で不透明感が低下したと判断して株を買い戻したと考えられます。公式にはまだ米大統領選の勝者は決まっていませんが、民主党バイデン氏が事実上の勝利宣言を出しており、バイデン勝利でほぼ決まったと考えられることから、既に選挙後を見据えた株式投資が動き始めたもようです。つまり、来年にかけて世界景気が回復に向かうとのメインシナリオに基づいた、上昇軌道に戻ったと考えられます。
日経平均週足:2019年10月1日~2020年11月6日
日経平均の過去1年の動きを簡単に振り返ります。
【1】2019年10~12月:米中通商協議の合意期待で上昇
2019年は、米中貿易戦争の激化で、製造業中心に世界景気が悪化しつつありました。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融緩和を続けていた効果に加え、米中協議が合意に向かうとの期待があって、世界的な株高となりました。その流れから、日経平均も上昇しました。
【2】2020年1~3月:コロナショックで暴落
1月15日、米中「第一段階合意」が成立。米中対立が緩和すれば世界景気に好影響と期待されているところで、コロナ禍が世界に拡散しました。1月中は中国およびアジアだけの問題と軽く考えられていましたが、欧米でも感染が急拡大していることがわかった2月から、世界中の株が急落しました。
【3】2020年4~10月:世界中で株が急反発
4~6月、世界中で巨額の金融緩和・財政出動が行われた効果で、世界的に株価は急反発しました。7~8月は、さらに経済再開にともなう景気の底打ちを好感、またワクチン開発によって来年にはコロナが収束に向かう期待も加わって、上昇が続きました。
9月以降、11月3日の米大統領選に絡む不透明感や、欧米でのコロナ感染再拡大を嫌気して、欧米株が調整した流れを受け、日経平均も上値が重くなりました。ただし11月に入り、イベント通過で欧米株式が急反発した流れを受けて、日経平均は、29年ぶり高値に上昇しました。