決算内容は意外にしっかり、高配当株として投資価値は高いと評価

 大手総合商社5社の前期(2020年3月期)決算が出そろいました。コロナ・ショックで世界景気が急激に悪化し、原油など資源価格が急落している最悪の環境下ですが、丸紅以外は、意外にしっかりした内容だったと言えます。

 コロナ・ショックの下、今期(2021年3月期)の業績や配当の予想を出さない企業が多い中、五大商社は、配当予想をすべて開示しました。

五大商社の1株当たり配当金:2015年3月期実績~2021年3月期(会社予想)

出所:各社決算資料より楽天証券経済研究所が作成

 三菱商事・伊藤忠は、今年度(2021年3月期)に増配を予想しています。これまで取り組んできた経営改革の成果による、先行きへの自信が感じられます。三井物産は、配当を据え置きましたが、同様に将来への自信を感じる決算でした。高配当利回り株として投資価値が高いと判断しています。

 住友商事・丸紅は、三菱商・伊藤忠・三井物と比べると、収益基盤がやや弱く、今期は減配を予定しています。それでも、高配当利回り株として投資していくには問題ないと考えています。
 
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