東証マザーズのハイリスク・ハイリターン銘柄に分散投資するには

 上記したように、東証マザーズには未来の社会・経済・産業をけん引しそうな新興企業が多く上場されています。

 とはいっても、成長期待が高い半面、先行投資を実践しており、業績面が「赤字」もしくは「低EPS(1株当り利益)」で予想PER(株価収益率)が総じて高く、決算発表や業績見通しを巡るニュースフローで株価が乱高下しやすい点には留意が必要です。

 換言すると、「東証マザーズはTOPIXよりもハイリスク・ハイリターン」と言えます。

 個別銘柄のリスク(リターンのブレ)を抑制するためには、東証マザーズに分散投資することも検討したいと思います。こうした面で、東証マザーズ指数への連動を目指すETF(上場投資信託)「東証マザーズETF」(東証コード:2516)をご紹介します。同ETFは2018年2月1日に上場され、シンプレクス・アセット・マネジメントが運用しています。

 同ETFの投資単位は10口で、直近の取引価格(1口当り:749円)で計算すると8,000円足らずで東証マザーズに上場されている銘柄に分散投資するのと同様の投資成果を得ることが可能となります(図表4)。

<図表4>東証マザーズに分散投資できる東証上場ETF(参考情報)

*上記は参考情報であり、特定の投資商品を推奨するものではありません。
出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2019年7月初~2020年6月4日)

 図表4が示すとおり、インデックスファンド(指数連動型上場投信)である東証マザーズETFの取引価格も4月以降はTOPIXに対し優勢だったことがわかります。

 東証マザーズの「マザーズ(母)」とは、「将来東証一部へのステップアップを目指す成長企業を育てる新興市場」を意味します。コロナ危機を契機に国内産業の構造変化をリードしそうな新興銘柄群の成長期待を資産運用に取り入れるツールとして活用できると考えています。

▼著者おすすめのバックナンバー
2020年5月29日:株価回復はいつまで続く?3つの「第2波」に注意
2020年5月22日:どんなトンネルにも出口はある!不況でも株価反発なぜ?リーマン・ショックとの比較
2020年5月15日:史上最強のインデックス!?ナスダック100指数の定時定額投資で資産形成