東証マザーズがここまで強いのはなぜ?

 こうしたなか、国内の新興中小型企業で構成される東証マザーズ指数の回復基調に注目したいと思います。東証マザーズ指数とは、東京証券取引所・マザーズに上場されている約320社の時価総額加重平均指数です。

 図表2は、2018年初以降の東証マザーズ指数とTOPIX(東証株価指数)の推移を示したものです。2月以降の「コロナ危機」で両指数とも急落しましたが、その後の戻りや勢いの面で東証マザーズがTOPIXより優勢であることがわかります。

 東証マザーズ指数は先週、2018年12月以来約1年半ぶりに1,000ポイントの大台を回復。200日移動平均線を上回り、25日移動平均線が75日移動平均線を下から上抜ける「ゴールデンクロス」を示しました。

 日経平均やTOPIXに対して出遅れ感があった新興中小型株に資金が戻り始めたことを示しています。その後、利益確定売りが先行し、再び1,000ポイント割れに押されました(4日時点)。

 ただ、香港を巡る米中対立の激化や世界経済を巡る不透明感が日経平均やTOPIXの上値を抑えるリスクがある一方、海外(外部)要因に左右されにくい東証マザーズが優位を維持していく可能性に注目したいと思います。

<図表2>コロナ危機をきっかけに東証マザーズ指数が反転を鮮明に

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2018年1月初~2020年6月4日)