金が上昇率1位、次いでビットコイン。パラジウム、原油は大幅下落。

 先週は、金とビットコインの上昇が目立ちました。一方、パラジウムと原油は大幅下落、そしてナスダック、上海総合、S&P500、NYダウ、日経225など主要株価指数の下落も目立ちました。

 全体的には、上昇銘柄数は5、下落銘柄数は18、最大と最小を除く変動率の平均は▲0.9%でした。今回の4月17日(金)から24日(金)については“総じて弱い週だった”と言えると思います。

 “総じて弱い”と考える理由は、上述のとおり、株価指数、通貨、コモディティ(商品)、暗号資産といった複数のジャンルを横断的にみて下落銘柄数が多かったこと、全体の騰落が平均でマイナスだったこと、そしてこれらに加え、“金(ゴールド)”が上昇率1位となる目立った上昇を演じたためです。

 今回の騰落率のランキングから、先週は“代替資産(株の代わり)”や“代替通貨(主要国通貨の代わり)”という側面から金が買われたことがうかがえます。新型コロナウイルスの感染拡大による経済的・心理的打撃を、主要国の金融政策やワクチン開発への期待で相殺することが難しい状況にあるのだと思います。

 金が株や通貨の代わりに買われる、ということは、株や通貨が期待以上のパフォーマンスを出し切れていないことが背景にあると見られます。期待(正の思惑)が主な変動要因となって上昇することがある株式市場には、まだ、新型コロナウイルス感染拡大への強い懸念(負の思惑。期待の反対)が存在しているとみられます。

※金と価格の足元の価格動向と変動要因の詳細は毎週月曜の著者連載記事「週間コモディティマーケット」の、今週のレポートで詳細を述べます。

4月17日(金)から4月24日(金)までの週のジャンル別騰落率

※米国市場は4月10日(金)が休場だったため9日(木)で計算。
注:ビットコインは楽天ウォレットのビットコイン価格を参照。日本時間の前々週土曜日午前6時と前週土曜日午前6時を比較
注:プラチナ、パラジウムは楽天証券のマーケットスピードCX内「海外市場」のデータを参照
注:騰落率は週足の終値をもとに算出。(前週終値-前々週終値)÷前々週終値