コロナショックはリーマン・ショックに酷似、回復はいつか?

 日本株は、配当利回りや買収価値から割安で、長期投資で良い買い場を迎えていると判断しています。日本株は割安と判断する根拠は、以下のレポートを参照ください。
 3月11日:日本株は割安、長期投資で「買い場」と判断する理由

 ただし、割安だから、これ以上、下がらないというわけではありません。株は、短期は需給で動くからです。短期的に売りの勢いが強ければ、配当利回りや買収価値からいくら割安でも無視され、売り込まれます。

 短期的に日経平均がどこまで下がるか考える上で、参考になるのはリーマン・ショック時の日経平均の動きです。なぜならば、今起こっている危機がリーマン・ショックに酷似しているからです。
 原因は異なりますが、今起こっていることは、リーマン・ショックと同じです。突然人の動きが制約され、需要が消滅し、生産がストップした状態だからです。

 参考までに、リーマン・ショック前後の日経平均をご覧ください。

リーマン・ショックが起こってから9カ月の日経平均の動き:2008年7月28日~2009年7月27日

 

 米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻しリーマン・ショックが起こったのは、2008年9月15日。それから約3カ月、2008年末までは、「100年に1度の不況」と言われ、恐怖が高まっていく展開でした。ところが、2009年1~3月には、恐怖が徐々に低下していきました。世界不況が続いていましたが、「100年に1度の不況という程ひどくはない」と冷静な見方も出つつありました。株式市場での恐怖感は少しずつ低下していく展開でした。

 2009年1~3月、日経平均は安値圏で推移していましたが、景気敏感株が反発を始めていました。そして、4月になると、急速に世界景気が回復し、日経平均も反発トレンドに入りました。
 これを、今起こっている、コロナショックと比較します。

コロナショックの日経平均を、リーマン・ショック発生から9カ月間の日経平均と比較

注:リーマン・ショックは2008年9月14日、コロナショックは2020年1月14日の日経平均を100として指数化

 コロナショックもリーマン・ショックも、実態経済の悪化スピードが急激で、株価の下落スピ-ドの速さも特異です。コロナショックの今後が、リーマン・ショックとまったく同じになるわけではありませんが、それでも参考までにリーマン・ショック後の動きと比較することは意味があります。

 リーマン・ショックでは、最初の3カ月が恐怖拡大期間で、それは今のコロナショックとおおむね一致しています。次の3カ月(4カ月~6カ月後)は、景気は悪かったものの、恐怖はやや低下し始めていた時です。そして、次の3カ月(7カ月~9カ月後)、世界景気は急速に回復色を強めました。

 私は、コロナショックがまったく同じ展開になるとは考えていません。もっと早く、恐怖感は低下に向かうと予想しています。「2週間の経済凍結に耐えれば感染拡大を抑えられる」ことがはっきりすれば、恐怖は低下すると思います。