目先、原油相場はOPEC総会に向けた要人発言などで60ドルを目指す?

 12月5日(木)、6日(金)の産油国の会合まで3週間を切りました。

“駆け込み増産”など、会合について留意すべき点は前々回の「[原油劇場]大混戦。交錯する3つの伏線を読み解き、減産延長の行方を追え!」で述べ、今回、米国のシェールについて述べました。

 米シェールは今後も生産量が増加する可能性がありますが、返ってこの米シェールの生産増加が、OPECプラスの減産継続の動機を強めている面があると思います。米シェールの生産が増えるため、需給が緩んだり、在庫が積み上がったりすることを防ぐために、OPECが減産を継続しなければならない、という考え方です。

 また、OPECプラスが減産を止めてしまった場合、産油国(特にアラムコのIPOの話が出ているサウジ)にとっても、先進国の株式や通貨の市場にとってもマイナスの影響が出ることが懸念されます。

 再来週の会合に向けて、減産継続決定(あるいは減産延長を前提として来年(2020年)2月か3月の臨時総会決定)を予感させる要人の発言が相次ぐ可能性があり、その都度、原油相場は、さまざまな市場参加者の間で“最悪の状況は回避される”との思惑が広がり、その安心感から上振れする可能性があると、考えています。