「QEじゃない」QE4が始まった

 米国は10月15日から米国債の購入を再開した。QE3(量的緩和第3弾)が終わってから5年で、米国は量的緩和に戻ることとなった。FED(連邦準備銀行)がQE(量的緩和)をやめて、QT(量的引き締め)を5年続けた結果、9月中旬にレポ市場で金融危機が起きたことから、OMO(公開市場操作)をPOMO(恒久的な公開市場操作)に変更して、金融危機を防ごうというのが今回の量的緩和再開の背景だ。

 レポ市場の危機は、米金融当局が信じているよりも流動性が大幅に低いことを示している。中央銀行は、流動性を作り出し、短期市場を管理できると信じていた。しかし、レポ市場で進行している危機は、リスクと負債の蓄積が予想よりもはるかに多いことを示している。

 FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、「今回の措置はQE4ではない」と述べており、正式名称は、準備金管理(Reserve Management)となっている。いずれにせよ、米国が量的緩和を再開ということに変わりはない。

 FEDが発表した量的緩和の再開は、2020年の第2四半期まで継続される。パウエルFRB議長やFEDは「これはQEではない」と言っているが、QEどころかそれ以上に攻撃的な政策に見える。

 FEDの提案はレポ操作を継続し、ネットで月間600億ドル分ずつバランスシートが拡大する間に2020年第2四半期にはFEDのバランスシートがおよそ4.2兆ドルから4.3兆ドルに達することを示している。

2020年第2四半期にはFEDのバランスシートが、およそ4.2兆ドルから4.3兆ドルに達する

出所:ゼロヘッジ

FEDの総資産:3兆9,458億ドル(2004年~2019年10月現在)

出所:セントルイス地区連銀