常軌を逸した市場!?

「『常軌を逸した』マイナス利回り債買うのはお断り-JPモルガンAMウィリアム・アイゲン氏」という、ブルームバーグ(2019年10月17日付)の記事をぜひ読んでいただきたい。

 記事でウィリアム・アイゲン氏は、「マイナス利回りの債券が最終的に壊滅的な損失につながる」「ファンドの資金のほぼ半分を現金にし、債券の一斉売りが起こっても打撃を受けないようにしている」「マイナス利回りというコンセプト、つまり金を貸すために金を払うという概念そのものが、私には常軌を逸した行動と思われる」「長年にわたる欧州や日本の超緩和的金融政策が生み出した大量のマイナス利回り債券によってゆがめられた市場で、投資家は最終的に大惨事に見舞われるだろう」「私が言っているのは、これだけの紙幣を印刷し、バランスシートに何兆ドルもの証券を積み上げていれば、ある時点で何かが壊れるということだ。近い将来にそうなるとは言わないが、そうなった時に債券投資家が被る損失は壊滅的なものとなるだろう。その環境でプラスのリターンを上げるのが私の仕事だ」などと述べ、マイナス利回りの債券を買うくらいなら、引退した方がましだと述べている。

ユーロ圏のイールドカーブ(1カ月~30年の利回り曲線)

出所:フィナンシャルタイムズ

 ブルームバーグの記事を改めてピックアップするが、ウィリアム氏は、「運用するファンドの資金のほぼ半分を現金にし、債券の一斉売りが起こっても打撃を受けないようにしている」という。