米金融当局OMOをPOMOに変えて隠れQE4を画策か!?

 イールドカーブのフラット化や逆イールドで長短金利差が縮小する中、金融機関のビジネスモデルは壊れてしまっている。グリーンスパン元FRB(米連邦準備制度理事会)議長は米国がマイナス金利になるのも時間の問題と述べているが、今後も銀行の根源的収益は縮小していくだろう。その先にあるものは金融危機である。

 自社の足元の暗さから、金融機関は同業他社の経営に不安を持っており、疑心暗鬼の中で銀行には融資をしたくないと思っている。程度は違うが、いわば日本の北海道拓殖銀行・山一證券倒産時に似た状況である。英フィナンシャルタイムズの記事を読むと、今回の米レポ市場への介入、すなわち、OMO(公開市場操作/Open Market Operations)は特別措置ということになっている。しかし、「この先、短期金利市場がまたおかしくなったら、連銀はOMOを既成事実化して長期にやるのではないか」という観測が浮上している。これはOMOではなく、POMO(恒久公開市場操作/Permanent open market operations)である。

 OMOをPOMOに変えてQE(量的緩和)をやるというのは、いかにも連銀がやりそうなことだ。これは危機を防ぎバブルを延命させる「隠れQE政策」と言えるだろう。POMOは10月末のFOMC(米連邦公開市場委員会)で検討、あるいは決定されるのではないかと噂になっている。

 POMOという隠れQEはトランプ米大統領への対策にもなる。パウエルFRB議長はトランプ大統領に強烈に批判されており、さりとて、現状で大幅利下げやQE4(量的緩和第4弾)をやりたくない。しかし、POMOならQE4とは呼ばずに隠れQEとしてバブルを延命でき、株価が高値圏にあれば再選を狙うトランプ大統領もおとなしくなる可能性があるというのが、金融当局者の見立てであろう。