スターアジアの取った敵対的買収戦略のシナリオ

 以前、スターアジアはさくらに対し、一方的な合併提案をしましたが、さくら側はこれを拒否しました。

 そこでスターアジアは、さくらの発行する全体の3.6%まで投資口(株式に相当)を取得し、2019年5月、さくらに対し4つの議案を提案して、臨時投資主総会の開催を請求しました。

 スターアジアが示した4つの議案は、次のとおりです。

(1)現執行役員の解任
(2)新執行役員の選任(注:当然スターアジア不動産投資法人が送り込む執行役員です)
(3)さくら不動産投資顧問との資産運用委託契約解除
(4)スターアジア投資顧問との資産運用委託契約締結

 スターアジアのシナリオ通りに進めば、さくら側の執行役員、運用会社を排除し、スターアジア側の執行役員、運用会社に交代させることで、さくらをスターアジアの支配下に。その後、双方の投資法人間において合併契約の締結、双方の投資主総会で合併契約の承認があれば、スターアジアがさくらを吸収合併できることになります。