円安は日本株にマイナスか?
日銀が異次元緩和を継続する中、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げ・金融引き締めを続ければ、円安(ドル高)がさらに進む可能性もあります。
そこで気になるのは、今進んでいる円安が日本経済に悪影響を及ぼすという「悪い円安」説です。日本の製造業は海外現地生産を高めたので、円安が進んでも日本の輸出が増える効果はありません。一方、円安が進むことでエネルギー輸入コストが上昇し、1月の経常収支が1兆1,887億円の赤字となり、日本経済に悪影響を及ぼす「悪い円安」という声が高まっています。
私は、「悪い円安」説は、やや誇張されていると考えています。日本からの輸出は確かに減りましたが、日本企業は海外現地生産・現地販売で高い利益を上げています。円安が進むことによって、海外利益(ドル建て)の円換算額が膨らむ効果は大きいので、プラスマイナス合わせて、円安は日本の企業業績にプラスと考えています。
▼著者おすすめのバックナンバー
2022年4月4日:雇用回復で米利上げ加速の不安高まる。日本株「買い場」の見方変わらず