世界景気悪化がなければ日経平均は高値から2割程度の下落で底入れも

 日経平均はすでに昨年の高値から19%下落しました。世界景気の悪化がないままショック安で下がる場合は、経験的には2割くらい下げれば底入れしています。

 私は今年、世界景気は減速するものの、巡航速度での拡大が続くと予想しています。したがって今、短期的にも長期的にも、日経平均の買い場が近づいていると予想しています。

アベノミクススタート後の日経平均下落局面の下落率比較:2013年1月~2022年3月(8日)

出所:2012年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 チャイナショックで世界景気が後退ぎりぎりまで悪化した2015年-16年の下落局面では日経平均は高値から安値まで28%下落しました。コロナショックで下げた2020年は31%下落しました。この2回は、景気後退あるいは後退ぎりぎりまで世界景気が悪化したため、日経平均の下落率は3割まで拡大しました。それ以外の下落はおおむね2割でとどまっています。

 私は、年後半に世界景気は減速しつつも巡航速度の拡大が続くと予想しています。それを前提とすると、日経平均はそろそろ下げ止まると考えています。

 ただし、リスク要因として、世界景気がこれから、あれよあれよという間にどんどん冷え込んでいって、年後半に後退局面入りするリスクが考えられます。このままウクライナ情勢が泥沼化する中で、欧州景気・世界景気が急速に悪化するリスクです。中国の不動産バブル崩壊、米国の利上げも重なって、年後半に世界が景気後退期に入るならば、日経平均の下値はさらに大きくなります。昨年の高値から3割まで下げるとすると、日経平均は2万1,500円まで下げることになります。ただし、現時点でその可能性は低いと判断しています。

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