総裁選・衆院選どうなる?

 2つのシナリオが考えられます。株式市場にとってプラスになる展開とマイナスになる展開です。まず、株式市場にとってプラスになる展開、つまり外国人がさらに日本株を買い増ししたくなるシナリオは以下です。

◆株式市場にとってのバラ色シナリオ

  1. 自民党総裁選で足の引っ張り合いでなく、前向きな政策論議が尽くされる。
  2. 派閥主導でなく、派閥のしばりのない自由投票が行われる。
  3. 選出された新総裁のもとで、自民党が結束する。
  4. 自民党の支持率が上昇する。
  5. ワクチン効果で日本のコロナ感染がピークアウトし始める。
  6. 衆院選で自民党が勝利。
  7. 新内閣が大型の財政出動を打ち出す。

 上記は、株式市場にとってのバラ色シナリオです。そうなるかもしれないと思う外国人が増えれば、外国人の買いによって日経平均は年末3万2,000円を目指して上昇することになると思います。

 一方、株式市場にとっての悲観シナリオは以下の通りです。

◆株式市場にとっての悲観シナリオ

  1. 自民党総裁選は足の引っ張り合いになる。
  2. 派閥の力が大きく影響する選挙になる。
  3. 新総裁の元に自民党が結束できない。
  4. 自民党の支持率の低迷が続く。
  5. コロナ感染は高水準のまま。
  6. 衆院選で自民党が大敗。
  7. 弱体化した政権下で、思い切った政策を打ち出せない。

 上記の悲観シナリオに近い展開になると思う外国人が増えれば、外国人は日本株を売り、日経平均は再び大きく下がることになるでしょう。

 現実には、バラ色シナリオと悲観シナリオの中間のどこかになっていくことでしょう。今後の政治イベントから、目が離せない展開が続くと思います。

 最後に注釈です。本レポートは外国人投資家の見方を中心に、日本株の先行きを予想するために書いているもので、特定の政党や政治家を支持する意図はまったくありません。

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