メガ銀行の人員削減がネガティブに報道され、株価にマイナス影響を与えた?

 三菱UFJは、業務におけるデジタル化を急速に進めています。ネットバンクへのシフトを進め、店舗での人的業務の削減が急速に進んでいます。その結果、2023年度には、2017年度対比で、店舗を40%削減します。1万人超の業務量削減にメドがついたと発表しています。
 この発表に対して、一部メディアは「メガバンク、1万人リストラ」といったミスリーディングな見出しで報じていました。

 正確には、「三菱UFJは、デジタライゼーション(デジタル技術の利用)の推進によって、2023年度までに1万人の業務量を削減できるコストカットにメドをつけた」と報道すべきところでした。実際に従業員数をどれだけ減らすかについて、同社は「2023年度までに(2017年度比で)6,000名程度の人員減少(自然減)を見込む」としています。

「自然減」と言っていますので、定年退職などで6,000名減る見込みということです。「早期退職者の募集」のようなリストラを予定しているとは言っていません。

 三菱UFJが、2023年度までに1万人分の業務量を削減できるメドがたったというのは、投資家から見てポジティブなニュースです。従業員数が自然減で6,000人減れば、人件費は大幅に減ります。それでも問題なく業務を回していくめどがたったというのは、ポジティブです。1万人の業務量を削減して人員が6,000人しか減らなければ、4,000人分、余剰ができます。収益性を高めるためのさまざまな事業(海外事業やデジタライゼーション関連)に活用していくことが可能です。

3メガ銀行の投資判断

【1】私は、3メガ銀行とも、長期的な投資価値は高いと判断しています。
【2】3メガ銀行の投資魅力に順位をつけると、1番が三菱UFJ、2番が三井住友FG、3番がみずほFGと判断しています。
【3】3メガ銀行以外の銀行株は、保有すべきでないと考えています。
特に、地方銀行は、今のままでは将来、大半が本業で赤字におちいる懸念があり、投資は避けた方がよいと考えています。

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