近年の株と金(ゴールド)の関係

 改めて、株価と金(ゴールド)価格の関係を確認します。以下は、主要な株価指数と金(ゴールド)、銅の相関係数です。相関係数は▲1と1の間で決定します。二つの価格推移が同じように動く傾向(正の相関)が強い場合、1に接近します(1の場合二つの値動きは完全に一致)。

 正反対に動く傾向(負の相関)が強い場合、▲1に接近します。また、0は全く関わり合っていないことを示します。相関係数が0.7程度であれば、二つの価格推移は関わり合っている(相関が認められる)と言えます。

 2000年1月から2024年2月までの毎月の終値を基にして算出した、MSCIオールカントリー・ワールド・インデックスと金(ゴールド)の相関係数は0.774でした。この数値は、二つの値動きが似通っていることを示唆しています。

 産業用で多用され、景気動向と関りが深いとされる銅との相関係数(0.658)よりも高いことが分かります。長期視点でみると、株と金(ゴールド)は同じように動いていると言えます。

 以下は、相関係数が0.7超えとなった期間の株と金(ゴールド)の価格推移です。株は長期上昇トレンドを維持しています。金(ゴールド)はリーマンショック後にさらに騰勢を強め、その後は乱高下をしつつも、株と同じような山と谷を描いて上昇してきています。

図:MSCIオールカントリーワールドインデックスと金(ゴールド)の価格推移

出所:LBMAおよびQUICKのデータを基に筆者作成