分断と緩和がさらなる高値を実現し得る

 米PCEの「サービス」が、「モノ」にならって低下した場合、FRBは利上げをやめることを宣言する可能性があります。

 それは「始まりの始まり」が終わり、本格的な「始まり」が到来したことを意味します。それ以降、利上げの温度感は本格的に低下し、それに伴い、本格的に金(ゴールド)相場に代替通貨起因の上昇圧力がかかり始める可能性があります。

図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2)

出所:筆者作成

 米国の金融政策に関りが深い「代替通貨」は短中期のテーマに置いていますが、先述の2008年から2013年ごろや、2019年から2020年半ばまでのような息の長い利下げ・低金利が起きた場合は、同テーマ起因の金(ゴールド)相場への上昇圧力が長期化する可能性があります。

 また、中長期のテーマでは「中央銀行」、超長期では「見えないリスク」という長い時間軸のテーマでも金(ゴールド)相場を支え得る複数の材料があることもあり、今後も金(ゴールド)相場は上昇する可能性があると筆者は見ています。(短中期的な上下は起きるものの、長期視点では上昇傾向が続くと考える)

 例えば、米国の大規模な金融緩和が続いていた2009年半ばに、強い代替通貨起因の上昇圧力を受けて、(株高の中で)金(ゴールド)相場は初めて1,000ドルの大台を突破しました。

 あの時、とある市場関係者は「もう高いから上がらない」と話をしていましたが、足元の水準はあの時の2倍以上です。材料があれば上がるのです。

 上図のとおり、金(ゴールド)相場は絶えず、七つのテーマのからの影響を受けています。

「中央銀行」「見えないリスク」という長期視点の上昇圧力に加え、利上げ温度感低下の「始まりの始まり」によって強まってきている「代替通貨」起因の上昇圧力が、利上げ温度感低下が本格的に「始まって」さらに大きくなった場合、金(ゴールド)相場はさらに目立った上昇を演じる可能性があります。

 金(ゴールド)相場に七つのテーマがあるという考えを用いることで、冷静な分析が可能になります。たった七つ。短中期的にはそれよりも少ない三つです。

 国内外の金(ゴールド)相場が史上最高値を更新したタイミングだからこそ、これまでにも増して習得する意味がある考え方であると考えます。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

長期:

純金積立(当社ではクレジットカード決済で購入可能)
純金積立・スポット購入
投資信託(当社ではクレジットカード決済、楽天ポイントで購入可能)
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド

中期:

関連ETF
SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)

短期:

商品先物
国内商品先物
海外商品先物
CFD
金(ゴールド)、プラチナ、銀、パラジウム