INPEXを高く評価する六つのポイント

 INPEXを高く評価する点は、以下6点です。

【1】業績好調、株価割安と判断

 今期(2022年12月期)の純利益(会社予想)は、前期比79%増の4,000億円と2期連続で最高益を更新する見込み。原油・ガスの生産量増加・価格上昇・円安進行が寄与。PER・PBRなどの株価指標で見て、株価は割安。

【2】日本最大の原油・天然ガス生産・開発企業

 原油・ガスの2021年の生産は、同社資料によると日量58.4万バレル(ガスは熱量で原油換算)、2021年末の保有埋蔵量は63.1億バレルに達しています。海外20カ国に権益を有します。

【3】海外権益のほとんどが友好国に

 海外権益は、オーストラリア・インドネシア・中東などの友好国にあります。権益喪失の危機にあるロシアの「サハリン1」にも出資【注】していますが出資比率は低く、仮に撤退・減損という最悪の事態になったとしても影響は限定的と同社はコメントしています。

【注】INPEXは、サハリン1の権益を30%保有する「サハリン石油ガス開発」の株式を6.08%所有

【4】先行投資が実り、今後生産量・埋蔵量とも拡大が見込まれる

 長い年月をかけて開発を進めてきた オーストラリア(イクシス)・インドネシア(アバディ)などで先行投資が実り、生産量や確認埋蔵量が拡大する局面に入ると予想されます。

【5】技術的に難しい海底ガス田を開発

 技術的に難しい海底ガス田を開発、陸上にガスを誘導してLNG(液化天然ガス)に転換して日本などに輸出するプロジェクトを行っています。

【6】脱炭素にも積極的に取り組み

 2050年にCO2(二酸化炭素)排出ネットゼロを目指し、(1)水素・アンモニア事業、(2)CCUS(CO2回収収・貯蔵・利用)、(3)再生エネルギー事業(地熱・風力など)・(4)メタネーション(合成メタン)・(5)森林保全などの事業を推進しています。