米景気は好調、米利上げ加速の不安高まる

 4月1日に発表された3月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比43万1,000人の増加でした。雇用回復が着実に進んでいることがわかります。失業率は3.6%と、コロナショック前、2020年2月の3.5%とほぼ同水準まで低下しました。

米雇用統計、非農業部門雇用者増加数(前月比):2019年1月~2022年3月

出所:米労働省

米完全失業率:2014年1月~2022年3月

出所:米労働省

 雇用回復が進んだことを受け、FRBは5月の利上げを0.5%とする可能性が高まりました。3月の利上げ幅が0.25%であったことが、米国株の反発に寄与しましたが、5月の利上げ幅が0.5%となると、改めて米国株にネガティブ影響が及ぶ可能性があります。

 ただし、米景気が好調であること自体は、米国株および日本株にとってプラス材料です。ウクライナ危機のマイナス影響は、米国に対しては大きくありません。原油の上昇は世界最大の産油国である米国にプラスで、穀物の上昇も、穀物輸出国の米国にプラスだからです。

 米景気・企業業績の好調が続くと予想される中、利上げが続く米国で、米国株が業績回復を買う「業績相場」入りできるか正念場です。