2月に注目したい新興株の動き

 リーマンショック、バーナンキショックに次ぐマザーズ指数「月間23%安」を記録した1月(結局、何ショックだったのか?)。その傷跡は消えませんので、「後遺症はある」という前提で2月の新興株も見る必要がありそうです。

 悪夢の1月が終わり、月が替わった2月は一転リバウンドモードを見せました。月初1日は2%高、2日は4.6%高と“谷深ければ山高し”か? と思わせた矢先、3日に4.1%安。値動きの荒さは抜けていないですし、「上値が軽い」の逆、「下値が軽い」…これは、昨年も本コラムで何度も書いてきましたが、日本の新興株など中小型株に対し、小型の成長株ファンドの関与が落ちた(日本人の投信流入資金が、米株成長株などに偏り過ぎた)ため。

 大きく下がって割安感が出たとしても、その下値を拾ってくれる長期保有系のプレーヤーが極めて少ないことが原因です。

 そのため、リバウンド局面も、下値を掘り下げる局面も、短期プレーヤーのセンチメントが最重要ファクターです。それでいえば、2020年に起きたコロナラリーの上昇分を全部消した安値圏にある現状のセンチメントは悪い状態。

 安値を下回る(=直近で逆張り買い参加した投資家が含み損になる)ことに激弱、そこだけ意識しておいてもらえたらと思います。先月のマザーズ市場で痛感させられたのは、個人の信用取引メインのマザーズ市場にとって最も恐ろしいことは「株価が大きく下がること」。

 当たり前のことかもしれませんが、株価が大きく下がることで売らざるを得ない人が多く生まれ、そのフェーズでは値段なんて関係なくなる…この状況に再び陥るかどうか? でいえば、やはり1月の安値を割れることに注意としか言えません。

 短期プレーヤーのセンチメントでいえば、米国の高バリュエーション株が戻せば上向くのは間違いないため、基本的には1月と同様、米長期金利の水準とナスダックなどグロース指数の動向次第

 2月に関して言えば、FOMCがありません(次回は利上げ開始確実とされる3月15~16日)ので、FOMCというイベント接近に伴うQT(金融引き締め)神経質ムードはいったん弱まりそうなことはプラスでしょうか(3月に入ると相当ナーバスになりそうですが…)。

 そして個別株ベースでは、2月は「四半期に1度の決算発表シーズン」。発表集中日は、2月10日(木)の94社、そして14日(月)の150社の2カ所になります。10日は日本電解(5759)、そーせい(4565)など、14日はFRONTEO(2158)、ウェルスナビ(7342)などが予定されています。

 決算の内容、発表後の株価リアクションという2段階の不確実性があり、決算手前はポジションを軽くしておこうというインセンティブが働きやすそう。ただ、その決算警戒が手前で高まることで、“通過”によって市場全体のアク抜けにつながるケースも続いています。3カ月前も、半年前も…決算発表ラッシュ前後で反転(上昇)しました。今回も期待目線で待ちたいところ。

 そして最後に…気休め的な話になりますが、前の月に暴落(マザーズ指数が月間20%安以上)した翌月は上昇しているケースが多いことも挙げておきます。

 2008年10月(月間騰落率▲25.7%)は翌月「+4.9%」、2013年6月(同▲25.5%)は同「+12.4%」、2012年5月(同▲21.1%)は同「+16.3%」、2014年7月(同▲20.8%)は同「▲3.8%」。

 過去の暴落4回中、3回は翌月上昇(しかも、うち2回は10%以上の大幅高)しています。「たまには、マザーズの大幅上昇の月も見たいな~」と希望を込めて…あとは祈るのみ!?(笑)