値上がり率ランキング

1 ウチダエスコ(4699・ジャスダック)

 内田洋行の子会社、親子上場銘柄のウチダエスコが急騰。理由は、TOB価格に大きなプレミアムが乗ったことにあります。3日引け後、親会社の内田洋行が完全子会社化を目的としてTOBを実施すると発表。この日の終値は2,160円でしたが、内田洋行が提示したTOB価格は「4,130円」でした。プレミアムは91%という大盤振る舞い!

 両社の主力事業がともにICT事業を基盤としているため、一体になることが双方の持続的な成長実現につながると判断したようです。買付期間は2022年1月24日まで、完全子会社化を目的とするため下限(保有割合の31.42%)を上回る応募株は全部買うと。

2 アミタHD(2195・ジャスダック)

 廃棄物リサイクルを主力とする地味な業種、かつジャスダックの低流動性銘柄。この銘柄が一躍、人気デイトレ銘柄に浮上したきっかけは大幅な“株式分割”でした。同社は11月26日、12月末時点の株主を対象とした1対5の株式分割を実施すると発表。企業価値に何ら影響を与えない株式分割ですが、この発表を機に驚くほど仕手株化が加速します。

 発表翌日から2日連続ストップ高買い気配となり、値幅制限が4倍に拡大されたのが12月の月初1日。この時点で、発表前に比べて株価は2.2倍に。さらに、ここから13日に付けた高値まで、発表前に比べて約7倍に! 小型マイナー銘柄に投機マネーが群がるとこうなるのか…しかも株式分割だけで7倍とは…衝撃の展開でした。が、投機マネーの正体は個人の信用買いばかり。

 23日より増担保規制がかかり、実際に5分割されると処分売りが加速。株式を分割すれば流動性が向上するといいますが、実際は株式分割を発表したことで流動性が向上し、分割後は流動性が元に戻り、上値に巨大なシコリを残すだけ?

3 リアルワールド(3691・東証マザーズ)

 時価総額50億円未満の小型株ということもあり、珍しい理由が強い買い材料になりました。10日、同社の菊池社長が自身のブログを更新。投資家向け動画に出演したようで、動画の紹介を兼ねて「粗利倍増計画」というタイトルで自身の見解を書かれていました。その内容は、2022年9月期に粗利倍増、2023年9月期に過去最高の営業利益と時価総額を目指し、数年以内にテンバガーを目指すといったもの。

 最初にブログ更新に気付いた投資家の発見力には驚きますが、株価の反応から話題が広がり、ブログ更新の2日後に瞬間最大で時価総額が約7割アップ。お金をかけず、時価総額を膨張させるコスパ抜群のIR事例でした。

4 Birdman(7063・東証マザーズ)

 時価総額50億円未満の小型株に、(業績に与える強度は不明ながら)何だかすごそう的材料が付いて噴き上がったのが同社。10日の午前、ソフトバンクのグループ会社のリアライズ・モバイル・コミュニケーションズとデジタルコンテンツ創出で業務提携したと発表しました。

 共同プロジェクトの第1弾は、没入感の高い3Dのライブ映像で新たなバーチャル体験が可能となるサービス「さわれるライブ 5D LIVE」の提供と。

 リアルタイムで「さわって」楽しめる新しい体験型のデジタルコンテンツということで、解釈的には市場で人気テーマの「メタバース」に合致。発表当日に18%高し、翌日も15%高と噴き上がり…発表2日後が7%安、3日後が14%安で、2日上がって2日下がって全部帳消しの“往って来い”に。

5 アシロ(7378・東証マザーズ)

 まずは、14日に発表した今期ガイダンスを好感。主力の弁護士相談サイトの拡大を理由に、2022年10月期の二ケタ増益予想で提示しました。

 営業利益は前期の着地が8.5%増、一方でガイダンスは12.4%増ですので伸び率アップ。さらに、追撃の買い材料になったのが23日に発表した自社株買いでした。

 マザーズのネット関連株の「自社株買い」はレアといえます。同社は営業利益率で2割超の高収益体質。ここまではネット関連株に多いパターンですが…稼いだ利益を成長投資に回すのが一般的な“低株主還元体質”のマザーズ銘柄にあって、1億円を上限とする自社株買い枠設定はある意味サプライズに。