押し目買いの注意点

■(図4)日経平均(日足)の動き その2(2021年11月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 最後に少し期間が長めの日経平均の日足チャートで再確認していきます。

 先週末26日(金)時点での日経平均は75日移動平均線をやや下抜けたところに位置していますが、チャートを過去にさかのぼると、この75日移動平均線がサポートとして機能した場面と下抜けした場面とで分かれています。

 結局、「どちらに転んでもおかしくはない」ということになりますが、株価が75日移動平均線にタッチしたときの5日移動平均線の位置を見ていくと、下抜けた場面では、株価とほぼ同じタイミングで5日移動平均線が75日移動平均線を下抜けていたことが分かります。

 足元の5日移動平均線は75日移動平均線からまだ距離があるため、チャートの見た目では株価がひとまず反発する可能性が高いと見ることができます。

 ただ、今年の3月下旬~4月下旬のときのように、いったん75日移動平均線がサポートして機能して株価が反発した後に、再び下落し、そのまま75日移動平均線を下抜けて、しばらく上値の抵抗となる展開も想定されるため注意が必要です。

 その場合は、図4に示した下値メドの価格帯(2万6,800~2万7,500円)あたりまでの下落が考えられそうです。

 以上のように、足元の株価急落は確かに押し目買いの好機として考えることはできますが、戻り待ち売りの圧力が強そうなこと、そして、下げが加速する可能性を踏まえると、短期で早めの手じまいに徹するか、何回かに分散して買いを入れるという取引が有効かもしれません。