最後にNASDAQです。

■(図6)米NASDAQ(日足)のボリンジャーバンドとMACD(2021年11月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週のNASDAQはわずかに最高値を更新する動きを見せています。その意味では、NYダウやS&P500種指数に比べて強かった印象ですが、直近高値を抜けきった感はまだなく、さらに上昇するか、下落に転じてしまうのかの分岐点に位置していると言えます。

 実際に、チャートを過去にさかのぼると、バンド・ウォーク形成の過程で直近高値を上抜けて一段高となるケースと、抜け切れずに反落するケースの両方が確認できます。

 とはいえ、下段のMACDは右肩上がりとなっており、シグナルを上抜けてくれば上値トライの勢いが増してくる可能性もあり、期待したいところです。

 今年の米国の年末商戦は、供給網の混乱による品不足への懸念によって、セールが前倒しで始まっているという見方もあり、その初動が注目されます。

 また、12月に入ると、米債務上限問題の再燃や中国恒大集団の大規模な利払いといったイベントが控えていること、先週の米国株市場でNASDAQが最高値を更新し、過熱感も意識され始めていること、そして次期FRB議長人事の発表待ちもあります。

 例年の期待感だけでなく、株価調整への意識も持っておく必要がありそうです。

 とはいえ、日米の株式市場はともに基本的には上方向への意欲がまだ残っているほか、個別銘柄では高値を更新している銘柄も散見されているため、今週は相場全体が年末株高へ向かうムードを醸成できるかが試される週になりそうです。