2大イベント通過で次は業績相場へ

 今週、日本株にとって重要イベントが2つありました。10月31日投開票の衆院選と、11月3日の米FOMCです。

 衆院選は、自民党が単独で絶対安定多数を確保し株式市場にとってポジティブ・サプライズでした。FOMCでは事前の市場予想通りテーパリングが決定されましたが、利上げ前倒し懸念が高まることはありませんでした。

 2大イベントを無事通過したことで、今後は企業業績に注目する「業績相場」色が強まると思います。今まさにピークを迎えている9月決算への注目が高まります。今日、発表予定のトヨタの決算などが重要です。

 9月の中間決算では、通期(2022年3月期)の業績予想を上方修正する企業と、下方修正する企業が混在していますが、最終的には上方修正が優勢と予想しています。企業業績の好調を織り込みつつ、日経平均は少しずつ下値を切り上げていく展開になると予想しています。

 ただ、中国の不安には注意が必要です。破綻懸念が高まっている中国不動産大手、恒大集団について、中国政府がどのような対応を取るかが注目されています。恒大の処理と、中国景気減速懸念には注意が必要です。

 米景気・企業業績は来年も好調と予想していますが、パウエル議長が想定している通り、インフレが低下していくかは、注意して見ていく必要があります。

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