日経平均は2万9,000円回復

 先週末10月15日(金)の日経平均株価終値は2万9,068円となり、週足ベースでは4週ぶりに反発して取引を終えました。

 前週末終値(2万8,048円)からの上昇幅が1,000円を超える大きなものとなったほか、前の週につけた安値(10月6日の2万7,293円)を下回らなかったこと、そして、週末15日(金)に見せた一段高によって、国内株式市場のムードは再び上方向を目指しそうな印象です。

 果たして、今週の日本株はこのまま順調に戻りをうかがう展開が続くのでしょうか?

 早速、いつものように足元の状況から確認していきます。

■(図1)日経平均(日足)とMACDの動き(2021年10月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて、先週の日経平均の値動きを振り返ると、週初11日(月)の取引で、一気に75日移動平均線のあたりまで戻す展開となりました。

 ただ、そこからの上値は重たく、週の半ばはこの75日移動平均線が上値を抑制しました。その一方で、下値は上向きに転じた5日移動平均線がサポートとして機能するなど、比較的堅調だったと言えます。

 そして、週末の15日に、「窓」空けで一段高となり、75日と200日移動平均線を上抜けたほか、節目の2万9,000円台を回復してきました。さらに、年初来高値(9月14日の3万795円)と直近安値(10月6日の2万7,293円)の下げ幅に対する「半値戻し」も達成しています。

 目先のポイントは、25日移動平均線や上値ラインを突破できるか、下段のMACDがシグナルを上抜けるかになりますが、とりわけ、25日移動平均線との絡みが重要になります。

 前回のレポートでは、「75日・200日移動平均線の攻防が焦点になる」と指摘しましたが、週末の一段高によって見事にクリアしてきました。

 そして、次のハードルとして控えるのが25日移動平均線なのですが、10月に入ってからの日経平均は、この25日移動平均線を下抜けてから下げが加速していただけに、25日移動平均線の上抜けは、相場に勢いをもたらすスイッチとして働く可能性があります。

 反対に、跳ね返されてしまった場合には、「リターン・ムーブ」となり、もうしばらく株価の調整が続く可能性が出てきます。