2009年以降の米国株推移と比較:リスクはリターンの源泉

 株式市場の需給が5~6月にいったん崩れやすい季節性は「アノマリー」として知られています。とはいえ、そうした傾向をもとに売買を繰り返すことはお勧めしません。

 株式を売却できても、買い戻すタイミング(マーケット・タイミング)は相場環境の変化次第で異なることが多いからです。

 図表4は、「リーマンショック」(2008年秋の金融危機)を受けた景気後退中の2009年初を起点としたNYダウ平均と2020年初(コロナ危機前)を起点としたNYダウ平均の推移を比較したものです。

 2009年も2020年も景気後退ただ中の3月に底入れして以降、FRB(米連邦準制度理事会)が超低金利とQE(量的緩和)を両輪とする金融緩和を続けるなか、株式が金融相場(流動性相場)を続けた類似点がみてとれます。

 2009年も実体経済は低調でしたが、「不景気の株高」(FRBに逆らうな)と呼ばれる堅調相場だったことがわかります。

<図表4:2009年以降と2020年以降の米国株式市場を比較>

上記は2009年以降のNYダウ平均(左軸)と2020年以降のNYダウ平均(右軸)を重ねたもの
(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年5月19日)