REITが日経平均よりも大きく下落、コロナ後への懸念?

 コロナ・ショックが起こってから、東証REIT指数も、日経平均も急落しました。東証REIT指数の方が、下げが大きく、戻りは鈍くなっています。

東証REIT指数と日経平均の年初来の推移比較:2019年末~2020年10月21日

注:2019年末の値を100として指数化

 確かに、ホテルREITや流通(小売り)REITは大きなダメージを受けましたが、REITの大半を占めるオフィスREITが受けたダメージは、今のところ相対的に軽微です。

 つまり、コロナ禍でREITが受けたダメージは、日本株全体が受けたダメージよりも、相対的に軽微でした。にもかかわらず、東証REIT指数の方が、下げが大きく戻りが鈍いのはなぜでしょう。「コロナ後」に対する懸念が、影響していると考えられます。

 オフィスREITは、短期的には、大きなダメージを受けていませんが、コロナ禍で在宅勤務が全国に広がった影響で、都市部の不動産需給が緩み始めていることが懸念されています。コロナ騒動が収束しても、在宅勤務が広がる流れは変わらないと考えられていますので、次第に都市部の不動産への需要が、じわじわと減っていくことが懸念されています。今受けているダメージよりも、将来受けるかもしれないダメージへの懸念が、オフィスREITの価格下落に影響していると思われます。

 ここまで「REITとは何か」解説しないまま、市場動向を説明しました。ここから少し、REITの基礎知識について、解説します。