守りの高配当利回り株4銘柄

 世界景気が減速しても業績への影響が相対的に小さいと考えられる「ディフェンシブ株」の中から、配当利回りが高めで、株価が割安と私が考える銘柄を選びました。

守りの高配当利回り4銘柄:2020年10月7日時点

コード 銘柄名 主要事業 配当利回り 株価:円 1株配当金
2914 日本たばこ産業 たばこ 7.7% 1,991.5 154
8766 東京海上HD 損害保険 4.2% 4,774.0 200
9432 日本電信電話 通信 4.4% 2,295.5 100
9433 KDDI 通信 4.4% 2,738.5 120
出所:配当利回りは、今期1株当たり年間配当金(会社予想)を10月7日株価で割って算出

 東京海上HDをディフェンシブに分類したのは、私の考えに基づきます。損害保険は、コロナ・ショックで受けるマイナス影響が、他業種に比べて相対的に大きくないという意味で、ディフェンシブに分類しました。特に、東京海上HDは財務が良好であること、引き受ける保険の地域や種類を程よく分散していることも、考慮しました。

 ただし、実際には、貿易の減少で貿易関連の保険は悪影響を受けています。また、海外では、イベント中止保険(イベントが中止になった場合にその損失を補償する保険)の支払いが高水準になっています。

 東京海上HDの株価の動きは、けっしてディフェンシブとは言えません。運用で多額の株式を保有しているからです。日経平均が急落する局面では、保有株式の値下がりにより損保株も売られます。一方、日経平均の反発局面では、保有株式が値上がるため、損保株の上昇率も高くなる傾向があります。それでも、ビジネスそのものはディフェンシブと判断しました。

 日本たばこ産業(JT)、日本電信電話(NTT)の投資判断の根拠につきましては、以下、著者おすすめのバックナンバーにあげているレポートを参照ください。

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