攻めの高配当利回り株4銘柄

 最近、株式市場で、景気敏感株の一部を買い戻す動きが出つつあります。たとえば、半導体関連株がそうです。

 コロナ不況で、世界中で、リモートワーク(在宅勤務)、リモート会議、巣ごもり消費が拡大している影響で、ネットを経由した経済活動が一段と活発になっています。それに伴い、自宅で使う高性能PC需要が拡大しています。その中核部品として、半導体の需要が回復しつつあります。また、これから始まる5Gが本格普及すれば、ネットを通じてのデータのやり取りが一段と拡大し、半導体の需要がさらに伸びます。

 中国関連株にも、少しずつ動きが出てきています。中国で新型コロナの感染が収束に向かい、生産活動が再開されつつある影響が出ています。
そこで今日は、景気敏感株の中でも、予想配当利回り4%以上のものから、投資の参考銘柄を選びました。

攻めの高配当利回り4銘柄:2020年10月7日時点

コード 銘柄名 主要事業 配当利回り 株価:円 1株配当金
5020 ENEOS HD 石油精製 5.7% 385.0 22
8031 三井物産 総合商社 4.3% 1,849.0 80
8058 三菱商事 総合商社 5.2% 2,561.0 134
8306 三菱UFJ FG 銀行 5.8% 433.9 25
出所:配当利回りは、1株当たり年間配当金(2021年3月期会社予想)を10月7日株価で割って算出。大手銀行はこれまでディフェンシブ業種に入れてきたが、景気の影響を受けやすくなってきたため、景気敏感株に分類

 投資家の中には、高配当利回り株に投資する際、「予想配当利回りが高ければ高いほど良い」と考えて、機械的に予想配当利回りが一番高い銘柄を選ぶ方もいます。それは、あまり良い選び方ではありません。配当利回りは、確定利回りでないからです。利回りの高い銘柄には、将来、減配になるリスクが織り込まれていると考えるべきです。

  上に挙げた高配当株は、「比較的、安定的に配当が得られる」と私が期待する銘柄です。ただし、個々の銘柄にはいろいろなリスクがあり、将来減配になる可能性が無いとは言えません。予想配当利回りが一番高い銘柄に集中投資するのではなく、なるべく多くの銘柄に分散投資した方が良いと思います。景気敏感株とディフェンシブ株にも分散したほうが良いし、さまざまな業種にも分散投資した方が良いと思います。

 ENEOS HDは、前期(2020年3月期)の最終損益が、1,879億円の赤字でした。原油急落にともなって在庫評価損が発生したためです。石油精製会社は70日の原油備蓄義務を負っています。原油が急落すると、石油製品の販売価格は大きく下がりますが、高値で仕入れた原料が残っているために、在庫評価損が発生します。これは原油が急落した時だけに発生する一時的な損失です。今期、最終損益は会社予想では400億円の黒字に転換する見込みです。原油が横ばいになれば、在庫評価損は出なくなります。原油価格が上昇に転じれば、在庫評価益が発生します。