景気敏感株、バリュー株には難局か。中国関連株も注意を

 一方で、当面の世界市場では広義の「景気敏感株」や「バリュー株」は暫く劣勢を余儀なくされそうです。「社会的距離戦略」(移動制限)の長期化で、観光・ホテル、空運(エアライン)・鉄道(旅客運輸)、商業・飲食サービス(対面型)、外需主導の重厚長大産業、化石燃料(石油・天然ガス・石炭)を取り巻く経営環境は厳しく業績低迷が続くでしょう。長期金利の低下と融資先の貸し倒れ増加次第では商業銀行が収益の圧迫に直面しそうです。

 また、ポンペオ米国務長官が7月23日に行った演説で、米国が「中国との対決姿勢」を鮮明にしたことで米・中関係が一段と悪化。事実上、両国が「新・冷戦」入りするなか、米国の中国企業排除の動きが、日本を含む同盟国が「踏み絵」(米国側に立つのか中国側に立つのかの選択)を迫られる可能性も排除できません。

 実際、安全保障を巡る「米中覇権争い」の影響で、ファーウェイを筆頭とする中国系IT企業(5社)との取引停止を同盟国企業が見直す事態となっています。米中対立が一段と厳しさを増し、同盟国の出方と中国政府による報復措置の動向次第で、「中国市場に依存する製造業・非製造業企業」が影響を被るリスクも警戒すべきだと思います。


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