原油相場反発。減産合意で1,500万バレル削減!?
原油相場は、日本時間4月13日(月)の午前時点で反発しています。先週木曜より、複数の原油に関わる会議や声明文の発表があり、OPECプラス(サウジ、イラン、イラクなどのOPEC13カ国と、ロシア、カザフスタン、メキシコ、マレーシアなどの非加盟国10カ国、合計23カ国 米国やカナダは含まず)を中心に、世界規模の原油の減産実施が決定したためです。
まずは、先週木曜からの流れを確認します。
図:原油市場に関する4月9日(木)から13日(月)までに開催された会議と出された声明
延期になったものの、OPECプラスのテレビ会議が4月9日(木)に行われました。当初は緊急会合とされていましたが、この会合は“第9回OPEC・非OPEC閣僚会議”となり、日量1,000万バレルの協調減産を実施することで暫定合意しました。
この会合には、オブザーバーとして昨年12月にOPECを脱退したエクアドルを含む、中南米の産油国のほか、IEF(国際エネルギーフォーラム)のメンバーが参加しました。
また、翌10日(金)、2020年のG20議長国であるサウジが主導し、G20エネルギー相会合が開催されました。米国、カナダなどのシェール主要国を含んだ会合でした。
この日シェール主要国が減産を実施することにはなりませんでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大による移動の自粛などによって石油の消費が減少していることや、足元の低迷する原油相場が、多くの先進国・新興国経済にマイナスの影響を与えていることを確認しました。
また、11日(土)、OPECのウェブサイトに、APPO(アフリカ石油生産国機構)が、上述のOPECプラスとG20での会合を支持する旨のニュースリリースが掲載されました、
そして13日(月)日本時間未明、減産実施に難色を示していたメキシコが減産量を縮小することで妥結し、9日(木)で決めた削減量を日量1,000万バレルから日量970万バレルとして、協調減産を実施することで合意しました。
合意内容は以下のとおりです。
図:第9回OPEC・非OPEC閣僚会議での合意内容
また、日本時間13日(月)午前に、シェールオイルの主要産油国である米国やカナダも減産に協調し、日量合計1,500万バレルの削減を行う、という報道もでました。
OPECプラスの23カ国だけでなく、中南米の産油国、IEF参加国、そしてアフリカの産油国、さらにはシェール主要国も協議に参加し、まさに“世界協調”の減産が実施されることとなったわけです。
余談ですが、先週からの主要な会議はテレビ会議形式で行ったとされています。このことは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で渡航に制限がかかっていても、要人たちが会合を行うことを可能にし、その結果、世界協調の減産合意がなされる大きな原動力となったと思います。
図:NY原油先物価格の推移(期近 5分足) 単位:ドル/バレル