2020年、そして2021年へ

 米景気終盤の堅調が数カ月、あるいは1年も永らえ、株式相場も底堅さを保ち続ける場合、投資家は相場を眺めているだけでは焦(じ)れてしまうかもしれません。

 しかし、足元は堅調でも上値は限定的で、中期的には下値余地が広いというのが、現在のリスク・バランスと判断しています。特に、日本の円ベース投資家は、株安と円高(外貨資産安)をダブルで被る宿命にあることをよくよく考えて、投資の判断をしていただきたい局面です(円相場の内なるバネについては、次回のレポートで分析する予定です)。

 2020年の相場への臨み方について、筆者の基本観は変わりありません。どうしても何か買いたい人は、(1)短期勝負の売買、(2)高利回りの物色(ただし値下がりリスクと考慮して)、(3)時間分散での積み立て投資で考えてください。

 より安全な中長期サイクル投資を考える人なら、既に保有する投資ポジションの利益確定売りを段階的に進め、身軽になって、来る株安・円高を再購入の好機として楽しみに待つスタンスをお勧めします。

図4:米国の株価対社債利回りの警戒シグナル

出所:Bloomberg Finance L.P.