状況変わった?雇用拡大は持続可能か?

 貿易戦争が続いているにもかかわらず、米経済が順調だという自信が雇用市場を支えています。不透明感がなくなったら、需要がすぐに伸びると考えているからです。雇用増加のペースにまだ労働賃金の上昇が追いついていませんが、これも「時間の問題」だとFRB(米連邦準備制度理事会)はひそかに期待しているようです。

 しかし、12月になって状況は大きく変わってきました。トランプ大統領は「米中貿易交渉は2020年11月の大統領選挙後でもいい」という態度に変わってきています。1年以上も企業は待つことができず雇用市場が急速に縮小するリスクがあります。トランプ大統領もそのことは承知しているはずです。FRBが10月で利下げを中止したのは正しかったと思いますが、政治的圧力で追加利下げに追い込まれることになるかもしれません。