11月雇用統計の予想

 BLS(米労働省労働統計局)が12月6日にする10月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が+18.8万人に増加する見通し。失業率は横ばいの3.6%。平均労働賃金は、前月比+0.3%、前年比+3.0%という予想になっています。

貿易戦争でも雇用が伸びている

 貿易戦争のせいで世界景気が低迷している。来年はもっと悪化するだろう、と多くのエコノミストが警告を発しています。米国は不況になって雇用市場は縮小、失業者が増えるという不安をよそに、米国の失業率は過去半世紀で最低の水準にまで下がっています。11月の予想を見ても非農業部門雇用者数は伸びています。雇用市場の強さは米国に限ったことではなく、日本の有効求人倍率も過去44年間で最高に近い水準で推移しています。

 世界的景気減速の原因はシンプルで、トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争が輸出にダメージを与え、企業の投資活動を抑制していることです。それにもかかわらず、米国の労働市場が強さを保っていられるのはなぜでしょうか?