思い出してほしい。米国の株価はFRBのポートフォリオ(総資産)と連動しているのである。2018年の第4四半期に米国株が急落したのは、FRBが量的引き締めに動いたことが主因である。  

2018年の量的引き締め

主要中央銀行の資産の増減

 バンクオブアメリカとゴールドマンは大まかに150億ドル/月の恒久的なOMOを想定している。この戦略により、バランスシートは年間約1,800億ドル膨らみ、Fed(連邦準備制度)による米国債の純購入額(赤と灰色の棒の合計)は今後数年間で約3,750億ドルになる。

出所:ゼロヘッジ

 Plunge Protection Team(PPT=株価下落防止チーム)や、NY連銀がPKO(株価維持政策)を入れている現状で、株の売りトレンドが大きくなりにくい。

NYダウ(日足)とPlunge Protection Team(PPT=株価下落防止チーム)のPKO

 トランプ大統領は2019年10月7日に、「利下げを望んでおり、大幅な利下げだ。米国にインフレは存在しない。存在しているとしても、低水準で、利下げを実施するに値する。FRBが利下げすることを望む」と述べており、大統領のPPTと、金融緩和で株価を維持する操作が延々と続くだろう。

 読者の皆さまはすでにお分かりであろう。量的緩和政策はそれ自体が崩壊しない限り、出口は存在しないのである。