持っているだけでは意味がない、活用してこそ価値がある「含み益」

 では、実質PBRの低い銘柄を買えば、将来値上がりする可能性が高いといえるでしょうか? ハゲタカファンドがたくさんいて、買収が活発に行われる国では、実質PBRが極端に低い企業に対しては、敵対的買収がかかります。すると、株価は即座に上昇します。ただし、日本は敵対的買収が起こりにくい国なので、そのようなことはあまり期待できません。

 あくまでも含み益を活用して、企業価値を高めていく経営をしているか否かが、重要です。含み益の上に、ただあぐらをかいているだけの企業は、投資してもなかなか株価は上がりません。

 そこで、見るべきは、足元の業績です。業績を見て、最高益を更新していく力のある企業かどうか考える必要があります。

今期(2020年3月期)の純利益(会社予想)、最高益更新を予想しているか?

コード 銘柄名 純利益 (会社予想) 前期比
8802 三菱地所 1,370億円 最高益 +1.8%
8801 三井不動産 1,700億円 最高益 +0.8%
8830 住友不動産 1,400億円 最高益 +7.0%
9020 JR東日本 3,010億円 最高益 +2.0%
9021 JR西日本 1,185億円 最高益 +15.3%
9005 東急電鉄 580億円 +0.3%
9301 三菱倉庫 125億円 +8.1%
9302 三井倉庫HD 57億円 最高益 +9.8%
9303 住友倉庫 88億円 +27.3%
(出所:各社決算短信)