賃貸不動産に巨額の含み益が存在する銘柄のリスト

 2010年より、上場企業には、賃貸不動産の時価開示が義務付けられました。それ以来、賃貸不動産に巨額の含み益がある企業が明らかになりました。不動産、電鉄、倉庫業で含み益が大きい上位3社をあげると以下の通りです。

不動産・電鉄・倉庫業で賃貸不動産の含み益が大きい企業(上位3社ずつ):2019年3月末時点

業種 コード 銘柄名 賃貸不動産の含み益


8802 三菱地所 3兆8,984億円
8801 三井不動産 2兆7,496億円
8830 住友不動産 2兆7,033億円

9020 JR東日本 1兆4,661億円
9021 JR西日本 3,741億円
9005 東急電鉄 3,806億円

9301 三菱倉庫 2,662億円
9302 三井倉庫HD 1,198億円
9303 住友倉庫 585億円
出所:2019年3月期有価証券報告書(住友不動産のみ決算短信)より楽天証券経済研究所が作成

 トップの三菱地所は、なんと3兆8,984億円の含み益があります(含み益とは、時価と簿価(帳簿上の価格)の差額のこと)。例えば、1兆円で買った不動産の時価が、1兆3,000億円に値上がりしていたら、そこに3,000億円の含み益が存在することになります。その不動産を時価で売却すると、3,000億円の利益が上がります。

 あり得ないことですが、もし三菱地所が保有する賃貸不動産をすべて時価で売却すると、3兆8,984億円の利益を得られるわけです。