駐車場経営で成長してきたパーク24、カーシェアリングを第2の成長の柱に位置づけ

 改めて、パーク24の業務内容について説明します。パーク24は、24時間無人の時間貸し駐車場「タイムズ(Times)」を運営する、国内の駐車場運営トップ企業です。都市の隙間に存在する遊休地のオーナーから土地を借り受け、「タイムズ」を運営して収入を得ています。

 時間貸し駐車場は、過去20年で全国の都市部に広がり、駐車場不足の解消に大いに貢献しました。かつて、商業地域・駅前などでは、駐車場不足が深刻でした。ただ、そうした都市部には、開発するには中途半端な狭い遊休地が多数残っていました。パーク24は、そうした遊休地のオーナーから土地を借り受け、こつこつと駐車場ビジネスを拡大してきました。相続でオーナーが変わる時や再開発にひっかかった時などに解約されますが、それを上回る新規契約を取ってきました。商業施設の大規模駐車場の管理受託などにも手を広げ、成長を続けてきました。

 ただし、近年、駐車場ビジネスには参入企業が増え、競争激化。それにより、国内での成長余地はだんだん小さくなってきました。そこで、パーク24は、新たな成長ビジネスとして、「カーシェアリング」を始めました。カーシェアでも、現在、日本でトップ企業となっています。

【参考】カーシェアリングとは
 自動車(カー)を共同利用(シェア)する仕組み。欧米で普及し、日本にも広まりつつある。日本国内でトップが、パーク24が運営する「タイムズ・カー・プラス」です。全国に1万2,321の車両ステーションを有し、2万5,899台の車両を保有、125万5千名の会員を有します(2019年7月時点)。競合大手に、オリックスカーシェア、カレコ(careco)などがあります。

 カーシェアのメリットは、「安」「近」「短」といわれます。近所にカーシェア用の自動車を設置したステーション(駐車場)があることが前提ですが、安価な利用料金で、自宅近くから、近距離・短時間のドライブにも利用できます。

 カーシェアの会員になると、スマホで申し込み、簡単に自動車を借りることができます。ネット予約してカーシェア用の車両を置いてある駐車場に行き、会員証をかざすだけで、簡単に開錠できます。旅先で、駅前からカーシェアを利用することも可能です。

 利用料金は、15分で206円(ガソリン代・保険料込み)からとなっています(2019年9月時点、10月の消費増税後は料金改定が予定されている)。自動車を保有するコスト(車両購入、車検、駐車場、保険、税金など)がかからないので、割安な利用方法です。

   レンタカーと比較すると、利用手続きが簡単で、短時間・短距離の利用にも使えることが評価されています。ただし、利用者の多い地域では、土日祝日には、ほとんどカーシェアの車が空いていない(他の会員に使われている)という問題が起こることもあります。
 パーク24は、レンタカー事業とカーシェア事業を両方とも行っています。