(4)株主優待が魅力的な8~9月の優待銘柄を、権利付き最終日に買うのは、有利か?

 買ってすぐに株主優待や配当金を受け取る権利が確定するので「お得」に感じる人が多いようです。そのため、人気の優待銘柄では、権利付き最終日に向けて、権利取りの買いが増えます。

 ただし、現実には、権利付き最終日の直前に買って「お得」とは限りません。かえって、損なこともあります。権利付き最終日の買いが「お得」か「損」かは、直前の株価の動きによって決まります。

 人気の優待銘柄は、権利付き最終日に向けて、権利取りの買いで大きく上昇することがあります。その場合、権利落ち日に株価が大きく下がる可能性が高くなります。配当金や株主優待を受ける権利が得られても、その価値以上に、株価が大きく下がっては意味がありません。権利取り直前に株価が大きく上がっている銘柄の買いは見送るべきです。

(5)人気の優待銘柄では、権利落ちの1カ月以上前に買うのが良いこともある

 人気の優待銘柄や有名な好配当利回り株には、権利落ち日の1~2カ月前から、権利取りの買いが入ることもあります。人気の高い銘柄ほど、早めに権利取りの買いで株価が上昇し、権利落ち日には、株価が大きく下がります。

  人気の優待銘柄や好配当利回り株は、権利取りの買いが入って株価が上がる前に投資した方が良いといえます。では、どれくらい前に買ったら良いでしょうか?

 銘柄ごとに、もっとも良い買いタイミングは異なるので、一概には言えませんが、8月末基準の人気の優待株は7月後半~8月初旬までに買った方が良く、9月末基準の人気優待株は8月後半~9月初旬までに買った方が良いことが多いと言えます。

 ただし、タイミングの判断は、その年によって異なります。9月末にかけて日経平均が上昇する年は、結果的に早く買った方が良かったということになります。9月末にかけて日経平均が下がるならば、急いで買う必要がなかったということになります。

 日経平均がどうなるか予想せずに、一般論だけで考えるならば、人気優待株は、権利付き最終日よりも、1カ月くらい早く買った方が良いことが多いと言えます。