日銀は、個人投資家の買いの機会を奪っただけ

 それでは、日銀の買いは、何に影響したのでしょうか? 日銀は、日経平均が下げた日に大口買いを入れることを徹底しています。外国人が売りに回ったとき、すかさず買って、日経平均が大きく下げるのを防いできました。

 個人投資家は、日経平均が上がる局面で売り、下がる局面で買う傾向が鮮明です。外国人と反対の売買をしていることが多かったと言えます。外国人が買うと売り、売ると買っています。

 ところが、2017年以降は、個人投資家の売買動向に変化が見られます。外国人が買って日経平均が上がる局面で売っているのは同じですが、外国人が売って日経平均が下がる局面であまり買えていません。

 2017年以降は、日経平均が下がるとすかさず日銀が大量買いを入れて相場を支えるので、個人投資家が買いたいと思う水準まで下がらなくなっていました。もう少し下がれば、個人の買いが増えるところで日銀が買って、下げを防いでいました。

 結果的に、日銀は、個人投資家の買い場を奪っていただけと考えています。