日銀はいずれ年6兆円規模の買い付け額を縮小しなければならなくなると予想

 中央銀行である日銀が、年6兆円規模の買いを続けているのは、異常と考えています。いずれ、買い付け額の縮小を議論しなければならなくなると予想しています。

 中央銀行の主な役割は、円滑な資金供給を通じて、経済を活性化することにあります。日銀はインフレ期待を高め、設備投資に点火することを目指し、異次元金融緩和を実施してきました。ところがいくら金余り状況を作っても、インフレ期待は高まってきません。そこで、株を大量に買い付けて、景況を良くする奇策に出たのです。

 本来、金融緩和→インフレ期待上昇→設備投資拡大→日本株上昇をねらっていたのが、いつまでもインフレ期待が高まらないことに業を煮やし、ついに日本株を直接買う奇策に出たわけです。

 その奇策も、有効に寄与しているとは、言えません。ただ、個人投資家の買い場を奪っているだけで、日経平均が上昇するか否かは、結局、外国人投資家次第という状況が続いています。私は、早晩、6兆円規模の買い付けを縮小する議論が必要になると考えています。