値がさハイテク関連や外需関連株の回復に注目

 時価総額で算出されるTOPIXは、「内需関連株」からの影響が大きい特徴があります。内需関連株とは一般的に、銀行、不動産、建設、小売、電力、外食、倉庫など主に国内でサービスを提供している業種の銘柄を総称します。

 一方、単純平均株価である日経平均は、値がさ株が多い「電気機器」、「情報通信」、「外需関連株」の影響を受けやすいとされます。外需関連株は輸出関連株とも呼ばれ、業種別指数では精密、機械、輸送用機器など輸出や海外現地法人への収益依存度が高いグローバル企業を総称します。このため、海外景気、海外株式(特に米国株式)、ドル円(為替)相場の変動から影響を受けやすい特徴もあります。

 図表2は、日経平均の構成銘柄(225銘柄)のうちウエイト(指数寄与度)が大きい銘柄を降順に一覧しました。ファーストリテイリング(9983)は小売業ですが、収益の過半を海外に依存する外需銘柄に変貌しています。以下、ソフトバンクグループ(9984)を筆頭に、民生用・産業用の製品・サービスで「デジタル革命」を担うグローバル企業の寄与度が高いことがわかります。

 つまり、日本の産業界で「デジタル革命とグローバリゼーション(国際化)」をけん引する銘柄の株価上昇率が大きくなると、日経平均がTOPIXに対し優勢となり、NT倍率が上昇しやすくなります。

 図表3が示すとおり、東証業種別株価指数(2013年初=100)でみると、トレンドとして「電気機器と情報通信の優勢」が鮮明になっていることがわかります。一方、「銀行」は低迷を続けており、TOPIXの重石となっている状況がわかります。

図表2:日経平均のウエイト上位銘柄の株価騰落率

*ウエイトは「日経平均への指数寄与度」を示す。
出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2019/4/18)


図表3:電気機器や情報通信が復調傾向

*上記は、TOPIX、東証・情報通信、東証・電気機器、東証・銀行について2013年初を100として比較したものです。
出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2013/1/1~2019/4/18)