経費率の低い米国株式連動型ETFに注目

 投資初心者が米国株に投資する方法として、複数銘柄に分散投資するファンドを活用する方法があります。海外ETF(上場投資信託)とは、外国の取引所に上場しているETFのことです。

 中でも、米国株式に連動する投資成果を目指すため、S&P500指数などをベンチマークにして運用されているETFを「米国株式連動型ETF」と総称します。比較的少額の資金で、ベンチマークを構成する全銘柄に分散投資する行為とほぼ同様の投資成果を得られます。売買にあたり、比較的流動性が高いことも海外ETFの特徴で、米国市場の売買ランキングの上位に入ることもあります。一般的に、ETFは公募投信と比較して受益者(投資家)が負担する運用経費(信託報酬などのコスト)が低いことも大きな特徴です。

 図表4では、比較的低コストで売買できる米国株式連動型ETFを一覧しました。運用資産額が比較的大きいETFの中から、運用経費率が低い順(昇順)に示しました。

 年初来の騰落率(リターン)は全て10%以上となっています(2月13日)。「コスト控除後リターン」を重視する投資家には魅力のあるツールと考えられます。例えば、IVVやVOOは運用経費率が「0.04%(年率)」となっています。運用額の規模拡大に伴い、運用経費率を下げて訴求力を高めてきたファンドと言えそうです。

 米国では、ミューチュアルファンド(公募投信)と比較して、投資コストが低いETFが個人投資家や機関投資家から高い評価を得ています。同じベンチマークに連動する投資成果を目指すインデックスファンドなら、コストをセーブしながら投資できるファンドが有利であるのは当然です。米国株への投資を検討する際は、こうした米国株式連動型ETFに注目したいと思います。

図表4:米国株式連動型ETFの参考例(経費率の昇順)

注:「経費率」の昇順で一覧した。経費率=受益者が負担する運用経費率(年率)。売買単位は1投資口。年初来騰落率=経費率控除後NAV(基準価額)にほぼ連動する取引価格の年初来騰落率。上記は参考情報であり、特定のETFへの投資を推奨するものではありません。
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2019年2月13日)

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