注目はこの先。下げ止まりは近いのか?その戻りに対してどこまで期待して良いのか?

 下の図2は、日経平均週足チャートの「線形回帰トレンド」です。

図2:日経平均(週足)と線形回帰トレンド(2018年12月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを基に筆者作成

 線形回帰トレンドとは、一定期間の値動きを一次関数の考え方を用いて表現する統計学的なテクニカル指標です。

 この中心線を挟んで上下平行にそれぞれ1σ(シグマ)と2σの線を引きます。正確な説明ではありませんが、中心線を挟んだ上下の1σと2σのあいだを「強気ゾーン」、「やや強気ゾーン」、「やや弱気ゾーン」、「弱気ゾーン」に区分するイメージです。

 線形回帰トレンドで改めて図2を見ると、日経平均は先週と今週の下落によって、弱気ゾーンとされるマイナス2σの線すらも下抜けてしまっています。そのため、図1でダブルトップによる天井圏が完成しつつある点や、図2で下げに勢いが感じられる点から、少なくとも、「このまま下落トレンドに入ってしまう可能性が高くなっている」点を頭に入れておく必要がありそうです。

 とはいえ、ここで重要なのは、足元の相場がかなり弱くなっていることを再認識することではなく、下げ止まりは近いのか、そして、その戻りに対してどこまで期待して良いのかだと思います。

 確かに、足元の株価下落のピッチは早すぎる印象があるため、近いうちに反発する局面が見込まれますが、すでに強まりつつある下落トレンドへの意識を覆すことができなければ、ある程度株価が戻ったところで再び下落に転じ、安値を更新する展開もあり得るわけです。
そこで、日経平均の推移を過去にさかのぼってみると、今回と似たような状況がありました。いわゆる「チャイナ・ショック」があった2015年から2016年にかけての時期になります(下の図3)。

図3:日経平均(日足)の動き(2014年4月~2016年2月)

出所:MARKETSPEEDⅡを基に筆者作成