2万4,000円台乗せ達成も、米国株に引きずられた2018年の日経平均。上値切り上がり、下値切り下がりの拡大基調

 続いては、2018年相場の振り返りです。

図5:日経平均(日足)の動き その2(2018年12月25日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを基に筆者作成

 2018年の日経平均は、前年秋からの上昇基調を受けてのフォロースルーのような格好でスタートし、1月23日には26年ぶりとなる2万4,000円台乗せを達成するなど、幸先の良いスタートを切りました。

 ただ、この流れは続かずに調整局面を迎えることになります。当初は、高値警戒感による利益確定売りや、米国の長期金利が上昇傾向となり、これまでの「適温相場」への楽観ムードが揺らいだことなどがきっかけだったのですが、その後は米国第一主義に基づく通商政策への警戒を始め、米IT企業への風当たりが強まったこと、米中関係の悪化などの懸念材料が次々と加わり、春先まで下値を探る展開となりました。

 その一方で、企業業績と景況感に対する自信は根強いものがあり、不安材料の後退と再燃との「綱引き」によって株価が上げ下げを繰り返す展開が数カ月にわたって続きました。日経平均の上値が何度も「2万3,000円台の壁」に阻まれたのもこの時期になります。

 秋口以降も、基本的にこうした綱引き状態が続いたのですが、9月の急騰や10月の急落、そして12月に入ってからの下落基調など、日本株は米国株市場の値動きに対して、より敏感に反応するようになりました。

 大納会までまだ日はありますが、さすがに昨年2017年末終値(2万2,764円)を上回って終えるのは難しそうです。前年比でマイナスとなるのは2011年以来となります。

 昨年末時点のレポート(2017年12月30日付)では、2018年の想定レンジを2万0,000円~2万4,700円としていました。結果的にはほぼ想定通りでしたが、最終週になって日経平均が1万9,000円台前半まで下落したため、最後の最後で下値予想を外すこととなりました。

 また、2018年の年初来高値が10月2日、現時点での年初来安値が12月25日と、両者とも年の終盤につけているほか、そのあいだの日数も58営業日しかありません。つまり、結果的に2018年の値動きは図5を見ても分かる通り、2018年は上値切り上がり、下値切り下がりの拡大基調となっているわけです。

 これが2019年の想定レンジ幅が大きくなった理由ですが、実際のところ、2019年はこの拡大基調が収束させていく値動きが中心になるとと思われ、値動きはもっと狭いレンジでの推移となりそうです。近いうちに到来すると思われる株価反発とその後の下げの第2波の大きさが、「どの株価水準で落ち着きそうなのか」のカギを握ることになります。

 最後になりましたが、2018年も当連載レポートをお読みいただきありがとうございます。引続き2019年もよろしくお願いいたします。

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