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トレンドなし。「逆張り」モデルで相場の天底をとらえる
石原 順
外為市場アウトルック
数社の海外ファンド運用に携わる現役ファンドマネージャー・石原順のレポートです。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や豊富な海外情報ネットワークを用いて、為替市場のい…

トレンドなし。「逆張り」モデルで相場の天底をとらえる

2018/3/15
・日足に方向性がない順張りの標準偏差ボラティリティトレードモデル
・日足にトレンドが無いときは取引タイムフレーム(時間枠)の短期化で収益を狙う
・逆張りのATRチャネルトレードモデル
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日足に方向性がないときは、順張りモデルはつらい

 筆者は直近のセミナー、ラジオ、レポート等で「この相場はしばらく乱高下の横ばい相場になるのではないか?」という相場観を述べてきた。その理由は、米長期金利の金利上昇トレンドがとりあえず一服し、インフレ懸念(長期金利急上昇)からのリスクオフ的な相場がピークアウトしたからである。

 現状の過剰流動性(バブル)相場が延命できるか否かの焦点はインフレだ。したがって、長期金利に方向性がないと、株式市場も為替市場も空中戦的な往来相場になるだけだろう。

 標準偏差ボラティリティトレードモデルでは、相場に方向性が出てくると、標準偏差ボラティリティとADX(アベレージ・ディクショナル・インデックス)が上昇する。標準偏差ボラティリティとADXが低い位置から上昇する場合は、相場が保ち合いを離れ、強い方向性をもつシグナルとなる。

 相場に大きなトレンドが発生する可能性のある局面は、標準偏差ボラティリティが上昇し、ボリンジャーバンドの±1シグマ(個別株および株式インデックスのみ0.6シグマを使用)をブレイクしたときである。相場がボリンジャーバンドの±1シグマ(株式インデックスの場合は0.6シグマ)の外側にあるうちはトレンド相場が継続しており、ポジションを持ち続けるという手法だ。

 標準偏差ボラティリティトレードモデルでみると、株式市場も為替市場も日足相場に明確な方向性がない。トレンド(方向性)のない調整相場は、チャートのフォーメーションが読みづらい。加えて、相場のボラティリティ・レベルも高いので、場味の良いところで相場に参入すると、「売ってやられ、買ってやられ」という消耗戦になりかねない。


米10年国債金利(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)
出所:石原順


NYダウ(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ(緑)
出所:石原順


 日経平均(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ(緑)
出所:石原順


 ユーロ/ドル(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)
出所:石原順


 ポンド/ドル(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)
出所:石原順


ドル/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青) 下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑) 出所:石原順


 ユーロ/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)
出所:石原順


 ポンド/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青) 下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑) 出所:石原順


豪ドル/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)
出所:石原順


 カナダドル/円(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)
出所:石原順

日足にトレンドがないときは取引タイムフレーム(時間枠)の短期化で収益を狙う

 日足のチャートをみれば、現在の市場にトレンドがないのは明確である。こういった環境でのトレード戦略は、取引タイムフレーム(時間枠)の短期化である。筆者は標準偏差ボラティリティトレードモデルを使って、NYダウも日経平均も通貨も短期のタイムフレームでのトレードを頻繁に行っている。


ユーロ/円(30分足)

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド
出所:MT4・石原順インジケーター

ユーロ/円(1時間足)

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド
出所:MT4・石原順インジケーター


ポンド/円(30分足)

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ 中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青 下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド 出所:MT4・石原順インジケーター


 ポンド/円(1時間足)

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド
出所:MT4・石原順インジケーター


ドル/円(30分足)

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド 出所:
MT4・石原順インジケーター


ドル/円(1時間足)

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ 中段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青 下段:赤色の期間=買いトレンド・黄色の期間=売りトレンド 出所:MT4・石原順インジケーター

逆張りのATRチャネルトレードモデル

 ATRチャネルは、筆者が相場の天井と底の発見、すなわち、相場の転換点をとらえるのに用いている逆張りの道具(ツール)である。ATR(アベレージトゥルーレンジ)はTR(窓開けを含めた1日の最大値幅)の平均である。このATRを移動平均線にプロットしたものがATRチャネルだ。

 下のチャートはATRチャネルトレードモデルで、相場の大転換・小転換ポイントで売買シグナルを発生させている。このモデルで3つの逆張り売買手法を実践できるようになっている。大転換ポイントは、相場がATRバンドの外にあるとき、ADXと標準偏差ボラティリティの両方がピークアウトしたときである。

逆張りは順張りより難易度が高い売買手法であり、ストップロスを置かないと壊滅的な損失を被る可能性がある。それらに留意したうえで、筆者はATRチャネルトレードモデルを使って、株式インデックスや通貨市場の短期のタイムフレーム(30分~4時間足)で頻繁に売買を行っている。

 ATRチャネルトレードモデルは、すべての市場と時間枠(タイムフレーム)に拡張が可能である。


ユーロ/円(30分足)

上段:ATRチャネルと相場の転換点シグナル
下段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
出所:MT4・石原順インジケーター


 ユーロ/円(1時間足)

上段:ATRチャネルと相場の転換点シグナル
下段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
出所:MT4・石原順インジケーター


ポンド/円(30分足)

上段:ATRチャネルと相場の転換点シグナル
下段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
出所:MT4・石原順インジケーター


ポンド/円(1時間足)

上段:ATRチャネルと相場の転換点シグナル
下段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
出所:MT4・石原順インジケーター


ドル/円(30分足)

上段:ATRチャネルと相場の転換点シグナル
下段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
出所:MT4・石原順インジケーター


ドル/円(1時間足)

上段:ATRチャネルと相場の転換点シグナル
下段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
出所:MT4・石原順インジケーター


日経平均CFD(30分足)

上段:ATRチャネルと相場の転換点シグナル
下段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
出所:MT4・石原順インジケーター


日経平均CFD(1時間足)

上段:ATRチャネルと相場の転換点シグナル
下段:修正平均ADX(14)=赤・標準偏差ボラティリティ(26)=青
出所:MT4・石原順インジケーター  

 筆者は30年超にわたり相場に携わってきたが、取引タイムフレームの分散と取引手法(順張り・逆張り)の分散によって、運用成績が安定することは疑いのない事実である。そして、30年間いろいろな運用者をみてきたが、成功している投資家はシステマティックなトレーディング戦略を使っている。「長期的に成功している投資家は、自由裁量トレーダーであれ、システムトレーダーであれ、例外なくシステマティックなトレーディング戦略を使っている」(ロバート・パルド)のである。

 相場のトレンドを認識するのに有効な指標は非常に少ないが、近年のトレンド相場衰退の中で、筆者は何をやれば稼げるのかを常に探っている。その結果わかったことは、順張りだけで楽に儲かる時代ではなくなったということだ。

 逆張りは相場のトレンドに逆らってポジションをとるので、大きな損失を被る可能性がある。ある意味でとても危険な売買手法である。相場にトレンドが発生したときは、逆張りをすぐに中止しなければならない。

 相場に絶対の法則はない。相場を正確に予測することは誰もできない。それでも「相場とは一体何か」と言えば、それは「確率に賭けるゲーム」だろう。筆者が心がけていることは、勝つ確率の高い局面で投資を行うということである。

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