「最大瞬間風速」で2,300ドルも!?

 冒頭より、「フタがされて上値を伸ばせなくなっている金(ゴールド)相場」を題材に、金(ゴールド)相場を取り巻く七つのテーマを確認しました。そして、なぜフタがされたような動きになっているのかを、考えました。

 その後、年末にかけて上昇圧力を増やす原動力となり得る「代替通貨(下落圧力から上昇圧力に転じる)」と「中央銀行(さらに上昇圧力が増す)」について詳細を述べました。こうした背景から、ニューヨーク金先物(中心限月)相場の2023年12月の終値は、現在よりも高くなると、筆者は考えています。

 以下は、可能性は高くはありませんが、「最大瞬間風速」のシミュレーションです(条件がいくつも重ならなければ成し得ません)。

 例えば、新型コロナがパンデミック化したことで不安が強まったり(有事ムード起因の上昇圧力発生)、米国の金融緩和が始まったり(代替通貨起因の上昇圧力発生)したことで史上最高値(当時)をつけた2020年8月の高値は、終値に比べておよそ5.6%高くなりました。

 ウクライナ危機勃発直後に急騰したとき(有事ムードと、株価不安定化による代替資産起因の上昇圧力発生時)の2022年3月の高値は、終値に比べておよそ6.3%高くなりました。また、銀行の連鎖不安や米国の債務上限問題が噴出(有事ムード起因の上昇圧力発生)して急騰した2023年5月の高値は、終値に比べておよそ5.2%高くなりました。

 仮に、2023年12月の終値が2,180ドルとなり(しばしば目にする年内2,200ドル説に類似)、かつ同月が急騰する展開になった場合、先述の急騰した月の高値と終値の関係(差が6%)と重ねると、同月の高値はおよそ2,303ドルになります。

 七つのテーマが一様に、金(ゴールド)相場に強い上昇圧力をかけるなど、非常にまれなケースが起きれば、成し得るかもしれません。「最大瞬間風速」を実現し得る、強い風が吹くか、継続して金(ゴールド)相場の動向を注視していきたいと思います。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

長期:

・純金積立(当社ではクレジットカード決済で購入可能)
純金積立・スポット購入
・投資信託(当社ではクレジットカード決済、楽天ポイントで購入可能)
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド

中期:

・関連ETF
SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)
・関連個別株
バリック・ゴールド(GOLD)
アングロゴールド・アシャンティ(AU)
アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)
フランコネバダ・コーポレーション(FNV)
ゴールド・フィールズ(GFI)

短期:

・商品先物
国内商品先物
海外商品先物
・CFD
商品CFD