決算発表後の材料出尽くし売りが続く?お盆明けまでは要注意!

 今週の経済指標では8月2日(月)に米国のISM(米サプライマネジメント協会)が発表するISM製造業景況感指数が注目されそうです。コロナ禍による供給網の混乱や労働力不足で前回は予想を下回っており、さらに鈍化すると、米国景気の失速懸念が高まります。

 一方で、米国景気の好材料になりそうな経済指標もあります。月初めの第1金曜日にあたる6日には、米国雇用統計が発表されます。前回6月の非農業部門新規雇用者数は予想を上回る85万人増でしたが、今回発表の7月新規雇用者数は88.5万人増と大幅な伸びが予想されています。

 失業率も予想通り5.7%に低下すれば、早期利上げ懸念が遠のいていることもあり、素直に好感して米国株が上昇しそうです。

 日本では、引き続き2021年4-6月期の四半期決算発表が相次ぎます。3日(火)には三菱商事(8058)など商社株や日本製鉄(5401)、4日(水)にはトヨタ自動車(7203)の発表があります。

 6日(金)には半導体検査装置の花形株・レーザーテック(6920)の決算発表もあります。好決算で急騰してきた株価がさらに上昇するか、材料出尽くしで売られるか、注目されそうです。

 6~7月には東京五輪開催に向け、スポーツ関連のデサント(8114)アシックス(7936)が急騰しましたが、閉幕まで1週間を切り、利益確定売りもありそうです。

 日本経済新聞の記事によると、7月末までに決算発表した上場企業約500社は、電子部品、半導体、自動車などの製造業を中心にコロナ前の利益水準を回復しました。しかし、一部の銘柄を除いて株価は反応薄です。

 8月の株式市場は人々が休みを取るため、「夏枯れ相場」になりやすいといわれています。個人投資家の投げ売りにつながりかねない、ネット関連の人気株の下落も心配です。お盆明けぐらいまでは、売買高が少ない中、株価が大きく急落するリスクがありそうなので注意が必要でしょう。